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最高裁判所第一小法廷 昭和32年(オ)990号 判決 1959年4月23日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人弁護士衛藤顕の上告理由第一点について。

原判決が、民法七一五条の解釈につき判示の如き見解を示しつつ、判示事実関係の下において(所論の如き事実関係であつても)、上告会社は判示損害賠償の責を免れないものとした判断は、当裁判所もこれを正当として支持する。(大正一五年一〇月一三日大審院聯合部判決集五巻七八五頁以下、昭和七年九月一二日同第一民事部判決集一一巻一七六五頁以下、昭和八年四月一八日同第五民事部判決集一二巻八〇七頁以下、昭和一三年二月一二日同第四民事部判決集一七巻二〇三頁以下、昭和一四年一二月六日同第四民事部判決集一八巻一四一八頁以下、昭和一九年六月一七日同第四民事部判決集二三巻四七三頁以下、昭和三〇年一二月二二日最高裁第一小法廷判決集九巻二〇四七頁以下各参照)。所論は、前示法条につき原判決の示した見解と異る独自の見解の下に原判決の右判断を違法と攻撃するだけのものであつて、採るを得ない。

同第二点について。

しかし、原審において上告人の援用した証拠を照合すれば、所論の点に関し原判決の引用した第一審判決が証拠がないとした判断は、首肯できないことはなく、その判断の過程において所論各違法のかどを見出し得ない。所論も採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 下飯坂潤夫 裁判官 斉藤悠輔 裁判官 入江俊郎 裁判官 高木常七)

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